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東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1059号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔主文〕 申立人が別紙記載の増築をなすことを許可する。

申立人は相手方に対し金八万円を支払え。

本件借地契約の賃料を本裁判確定の月の翌月から月額二、〇〇〇円に変更する。

〔決定理由〕一、申立の要旨

申立人は相手方から東京都豊島区西巣鴨四丁目一四四番七号宅地262.87平方米のうち105.78平方米を賃借し、同地上に別紙記載の現存建物を所有し、これに居住しているが、長男二五才が近く結婚する予定で、結婚後も同居していたため、現在の建物は狭いのでこれを別紙記載のとおり増築したい。しかるに、借地契約上建物の増改築につき相手方の承諾を要する旨の特約があるところ、相手はこれを承諾しないので、その承諾に代わる許可を求める。

二、相手方の意見の要旨

本件借地契約は昭和二七年一月に期間を二〇年として締結されたもので、昭和四七年一月に期間が満了するが相手方は右期間満了時に、更新を拒絶する予定である。すなわち相手方寺院の前面道路が一方通行でかつ駐車禁止区域に指定されため、本件土地は檀家のための駐車場として相手方は自己使用の必要に迫られているものである。そこで、もしかりに本件申立が許容されるとしても存続期間の延長は許されるべきではない。

三、鑑定委員会の意見の要旨

本件増築は土地の通常の利用上相当と認められる。

申立認容にともない、財産上の給付として金三六万円を申立人から相手方に対し支払わせるのが相当である。その理由は、本件土地の更地価格は坪あたり二五万円、総額八〇〇万円と評価されるが、慣行上の更新料の割合は更地価格の五%と認められ、本件借地契約の残存期間二年を残しているので、その二〇分の一八にあたる三六万円を相当とする。賃料については現行月額一、五四〇円であるが、これを底地価格二四〇万円に対し年利一%となる、よう、月額二、〇〇〇円を改訂するのが相当である。

四、当裁判所の判断

取調べた資料によれば本件増築は土地の通常の利用上相当と認められ、他にこれを不当とすべき事情はないと認められるので、これを許可することとする。財産上の給付について、鑑定委員会は、慣行的更新料に準拠する金額を相当とするが、本件においては相手方の意向に反して借地期間を延長すべきではないと認められるので、慣行的更新料に準ずるのは相当ではなく、残存期間が約二年であること、本件増築の程度等を考慮すると、鑑定委員会の意見による更地価格の一%にあたる八万円をもつて相当と認める。賃料については、鑑定委員会の意見のとおり増額するのが相当と認められる。

(白石悦穂)

現存建物および増築の内容

一、現存建物

木造瓦葺平家建居宅 37.19平方米

二、増築の内容

右建物の東側の壁をこわし、これに接続して木造二階建居宅一、二階とも各16.56平方米を増築する。

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